2012年3月25日(日)
大震災の教訓 学ぶ
仙台 教育保健学会がシンポ
学校の養護教諭らが参加する日本教育保健学会(数見隆生会長)は24日、仙台市の東北福祉大学で東日本大震災と教育保健の課題を考える学会を開きました。25日までの2日間。
シンポジウムで数見氏が基調報告。被災3県の公私立の幼小中高の子どもの犠牲者617人は、全犠牲者中3・2%に当たるが、その年代の人口に照らすと少ないということができ、「子どもの命はかなり守られた。その教訓を明らかにすることが重要だ」と提起しました。
宮城県の山元町立中浜小学校校長の井上剛氏は、二次避難所まで徒歩20分なので、自校屋上への避難を決断し助かった経験から、「危機意識の高さと日常の情報の積み重ねが良い判断につながる」とのべました。
東松島市立浜市小学校教師の渡辺孝之氏は、校舎3階に唯一ある音楽室で300人が被災当夜を過ごした経験を語り、「子どもたちの底力、チームワーク」がそのときから発揮されていると報告しました。
岩手県の釜石市立釜石東中学校教師の平野美代子氏は、地震後、指示されなくてもすぐ逃げた生徒たちを教師があとから追いかけたようすを話し、防災を総合学習で追究してきた意味の大きさを指摘しました。
宮古北高校教師の工藤宣子氏が、保健室など養護教諭の活動を報告し、宮城県女川町の前教育長の遠藤定治氏が講演しました。