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2012年3月24日(土)

原発再稼働へ 政府“前のめり”

原子力安全委 大飯の耐性試験了承

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 内閣府原子力安全委員会(班目(まだらめ)春樹委員長)は23日、臨時会議を開き、定期点検で停止中の関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の手続きとされるストレステスト(耐性試験)1次評価について、経済産業省原子力安全・保安院が関電の評価結果を「妥当」とした審査書を了承しました。


福島事故検証もなし 批判の声

 保安院と安全委員会による技術的審査は終了。野田佳彦首相は再稼働へ向けた政治判断を行うとしていますが、東電福島第1原発事故の検証さえ終わっておらず、ストレステストについても、さまざまな意見や問題点が浮上。政府の“前のめり”姿勢に厳しい批判の声が上がっています。

 安全委員会は、ストレステストについて「何らかの基準に対する合否判定を目的とするものではない」としながら、電力会社が評価結果を出し、保安院が結果を確認したことは「重要なステップ」と述べています。その上で、2次評価を速やかに実施し、安全性向上に向けた継続的改善を求めています。

 班目委員長は「1次評価は簡略的な方法で、ちゃんとした評価をしていないと思うところが多々ある」と述べ、原発の総合的安全評価として1次評価だけでは不十分だとの考えを改めて示しました。

 臨時会議はわずか5分で終了。集まった傍聴者から「1次評価で不十分といったのは班目委員長でしょう。それが終わっていないのに、お墨付きを与えるのか」と声が上がりました。

 関電の大飯原発3、4号機のストレステスト評価結果では、想定する地震の1・8倍(1260ガル)、想定を8・55メートル上回る11・4メートルの高さの津波に見舞われても、炉心損傷しないと評価。福島第1原発事故の原因の一つとなった全電源喪失が発生しても、16日間は炉心を冷やすことができるとしています。

30キロ圏内に47万人

 政府の原子力安全委員会が決定した原子力防災指針見直し案は、これまでの緊急時計画区域(EPZ、8〜10キロ圏内)を廃止し、5キロ圏内の予防的防護措置を準備する区域(PAZ)と30キロ圏内の緊急防護措置を準備する区域(UPZ)を設置して防災重点地域を拡大するとしています。また50キロ圏を目安に、プルーム(放射性雲)通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域(PPA)の設置を検討すべきとしています。見直し案に沿った防災計画はまだありません。

 日本共産党の吉井英勝衆院議員の調査によると、大飯原発の20キロ圏内は人口約24万人、30キロ圏内は約47万人です。一方、50キロ圏には福井県、京都府、滋賀県の計24市町が含まれています。

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