2012年3月22日(木)
子育て新システム 民間保育園長も反対
国会提出断念求める
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社会福祉法人やNPO法人の園長・理事でつくる全国民間保育園経営研究懇話会は21日、東京都内で記者会見し、「子ども・子育て新システム」関連法案の国会提出を断念し、公的保育制度を拡充することを求めました。
同会は発表したアピール文の中で、子ども・子育て新システムは、「公的保育を根本から切り崩し、福祉としての保育を産業化するもの」だと批判。(1)市町村の保育実施義務を明記した児童福祉法24条を改変する同法案の国会提出断念(2)公的保育の拡充―などを求めています。
あいさつに立った石川幸枝会長は、「新システムでは子どもの命も発達も保障できない」と話し、待機児童の解消などは現行制度を充実させることでできると訴えました。
被災地からは宮城県塩釜市あゆみ保育園の長沼千恵園長が報告しました。被災した保護者らが市に保育料減免を要請したことをあげ、「交渉ができたのは市町村の保育実施義務があったからだ」と指摘。児童福祉法24条を改変するのではなく、現行保育制度を守らなければいけないと訴えました。
現場からは「直接契約では入所者を選ばざるをえない」「人件費削減を余儀なくされ、保育士が長く働ける環境が保障されない」などの声があがりました。
アピールには20日現在、47都道府県593施設1260人から賛同が寄せられています。