2012年3月22日(木)
大阪弁護士会が会長声明
違憲・違法の恐れ強い
府の教育・職員条例案に反対
大阪弁護士会の中本和洋会長は19日、「大阪府の教育行政基本条例案、府立学校条例案及び職員基本条例案に関する会長声明」を発表し、条例案の制定に強く反対すると表明しました。
教育関係条例案について声明は、「学校間あるいは子どもたちの間の格差を公表することによって競争をあおり、競争に勝てなかったものに不利益を与えるという考えが随所にみられる」と指摘し、過度の競争を持ち込むことは、教育現場を荒廃させるおそれがあると警鐘を鳴らしています。
知事が教育委員会と協議して教育振興基本計画を策定することが定められている点については、地方教育行政組織法に違反するおそれがあるとのべています。
声明は、「知事・議員の現時点での政治的動向に基づく判断で決せられることは、百年の計と言われる教育の分野については不適切」と断じています。
職員基本条例案については、「職員及び教職員に職務命令違反に対してきびしい懲戒処分・分限処分の基準を設定し、さらに職員については相対的人事評価を行うことによって、統制管理する発想がみられる」と指摘しています。
同条例案では、教職員についても同一の職務命令違反3回で分限免職となる可能性があり、東京都の教職員の「日の丸」「君が代」処分事件の最高裁判例も懲戒処分として減給以上の処分を課すことについては謙抑的な判断をしているとして、「思想良心にかかわる問題で3回の職務命令違反で分限免職につながる規定を設けることは、憲法違反のおそれが強い」と批判しています。