2012年3月17日(土)
イスラム諸国の留学生名簿
大学・専門学校が警察に提出
警視庁公安部が作成した疑いのある文書がインターネット上に流出した事件(2010年10月)に関して、大学や専門学校がイスラム諸国からの留学生名簿を警察に提出していた問題が16日の衆院内閣委員会で明らかになりました。日本共産党の塩川鉄也議員が取り上げたものです。
塩川議員追及 “徹底調査、破棄せよ”
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流出文書では、留学生の把握数(表)が示され「(東京農工大、電気通信大)の管理者から留学生名簿を入手、イスラム諸国人留学生179名を把握」「帝京大学に対する管理者対策により、サウジアラビア人留学生16名が在籍」などと記載されています。
塩川氏は「留学生のプライバシーの重大な侵害が疑われる」と強調。「各大学の個人情報保護方針にのっとらず、警察を含む行政機関に個人情報を提供することは重大な問題だ」と追及すると、城井崇文部科学政務官は「法令に基づいて各大学の判断により適切に対応されるべきもの」と答えるにとどまりました。
塩川氏は、留学生を受け入れている教育機関の大半が警察に名簿を提出した可能性を指摘し、学校任せにせず国としての徹底調査を求めました。「法令に基づき適切に対応」との答弁を繰り返す城井政務官に、塩川氏は「あなたの国からの留学生は、犯罪者予備軍として個人データを警察で管理していると誤ったメッセージを発することになる」と批判。松原仁国家公安委員長に対し、警察内に名簿があるか調査し、その破棄を求めました。
塩川氏は、警察関係者280人、市民約1000人、法人・団体680の個人情報が流出したことに対し、「おわびもないのは言語道断だ。被害者は精神的苦痛を受け経済的な不利益も被っている」と謝罪を迫りました。
松原委員長は「遺憾」と表明しながらも、謝罪は拒否。塩川氏は「そんな答弁では警察の信頼は回復されない」と批判しました。
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