2012年3月13日(火)
主張
重税反対
消費税増税暴走止める声広げ
所得税や消費税の確定申告のさなかです。大企業・大資産家を優遇する一方で庶民や中小企業に増税を押し付ける不公正な税制に改めて怒りを強くします。
「重税反対」の一点で団体・個人が共闘する「3・13重税反対全国統一行動」が各地で開かれます。
今月中に法案提出と
消費税を10%に増税する政府の方針には最新の調査でも国民の過半数が反対しています(反対55%、賛成40%、12日付「読売」)。
「社会保障のため」と言いながら社会保障の切り捨て策がずらりと並ぶ「社会保障・税一体改革」の中身に、国民は不信感を強めています。経済への打撃に対する不安も広がっています。生活と生業の立て直しに苦闘している東日本大震災の被災者、被災中小業者には、とりわけ過酷な増税です。
それにもかかわらず、野田佳彦首相は「先送りできない」の一点張りで、増税法案を今月中に国会に提出する強硬姿勢です。
何より許しがたいのは、民主党政権が、消費税増税による暮らしと経済への破壊的な影響をまともに考えてもいないことです。
消費税の5%への増税などで大不況に陥った1997年当時と比べても、家計の可処分所得は平均で年額92万円も減りました。当時は10%程度だった「貯蓄がない」世帯の割合は、今は28・6%にまではね上がっています。
消費税率の10%への引き上げは13・5兆円もの大増税です。年金削減など社会保障の切り捨てを含めれば15年までに20兆円を超える負担増となります。可処分所得が大幅に落ち込み、取り崩す貯蓄もない世帯が3割近くに達しているときに過去最大の国民負担増をかぶせたらいったいどうなるのか。少しでもまじめに考えるなら、巨額の国民負担増を提起できる状況にないことは明らかです。
消費税を価格に転嫁できないことによる中小零細企業への深刻な打撃については、政権の視界にすら入っていません。
消費税は消費者が負担する建前ですが、消費税法に定められた実際の納税義務者は事業者です。今も中小企業の多くは消費税を売り値に転嫁できず、保険解約など身銭を切って納税させられています。税率が10%になったら、とてもやっていけないと商店や町工場の事業主から悲鳴が上がっています。
「転嫁できない場合、消費税はどこから出すのか」。日本共産党の志位和夫委員長の追及に対して安住淳財務相は「安心して転嫁していただくように努めたい」と平然と答えました。消費税導入以来の20年余の間にできなかったことが、10%に増税したとたんにできるようになるとでもいうのか。ふざけるなと言いたくなります。
不誠実な「3ない」に
かつて野田首相も消費税増税が経済に「惨憺(さんたん)たる」状況をもたらすこと、中小企業が転嫁できない場合は「自己負担になる」ことを認めていました。財界言いなりに消費税増税へ暴走する今、増税の深刻な打撃は「見ない、言わない、聞かない」の「3ない」で押し通そうとしています。
志位委員長が日本共産党の「社会保障と財政危機打開の提言」各界懇談会でも呼びかけたように、消費税増税に反対する共同の輪を大きく広げ、暴走にストップをかけようではありませんか。