2012年3月9日(金)
福島原発事故
東電は完全賠償を
被害者ら第1次集団請求
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東京電力福島第1原発事故による被害の完全賠償を求めて、事故被害者と福島原発被害弁護団は7日、東京電力を訪れ、第1次集団請求を行いました。
請求者は原発立地周辺の福島県双葉町、楢葉町、広野町、大熊町から避難を余儀なくされている33人と、事業損害などを被った7事業所で、賠償請求総額は8億3551万8523円。避難生活にともなう精神的苦痛に対する慰謝料を1人月額50万円、帰宅不可能になった被害者には1人2000万円とし、避難生活にかかった実費も含め2011年3月から12月31日までの分を求めています。
記者会見した被害者の男性(72)は、この間の賠償請求への東電の不誠実な対応に怒りを覚えたことをあげ、「要求をみんなでまとめようという声がでた」といきさつを話しました。
弁護団の広田次男共同代表は、今回の賠償請求は被害全体からみて一部の請求にすぎないとし、「あくまで完全賠償を東電に求める」と話しました。
被害者と弁護団は19日に福島県いわき市で東電との集団交渉の場を設ける予定です。この間、東電に出席を要請してきましたが、東電側は「今回の賠償請求は集団交渉にはなじまない」と出席を拒否しました。被害者と弁護団が再検討をうながしたところ、「再検討し回答する」としています。