2012年3月8日(木)
検討過程も秘密扱い
秘密保全法制の有識者会議
事務局に警察・防衛官僚
議事録なし資料非公開
政府が提出をねらう秘密保全法案の原案を検討した政府の有識者会議が、警察庁や防衛・外務両省の官僚主導で進められ、同会議の報告書案さえ公表されていないことが7日の衆院内閣委員会で明らかになりました。日本共産党の塩川鉄也議員の質問に政府が認めました。
塩川議員が実態追及
|
秘密保全法案は、「秘密の漏えい阻止」を理由に国民の知る権利や取材の自由などを侵害するものです。
塩川氏は有識者会議の事務局について質問。中村昭裕内閣官房審議官は、同会議の事務局は内閣情報調査室が担当し、警察・防衛・外務からの出向者が多いと答弁。同調査室の事実上のトップである内閣情報官が歴代警察庁出身者であることも認めました。報告書に盛り込まれた秘密の範囲についても「事務局が例示したもの」だと答弁しました。
塩川氏は「外務・防衛・警察といえば『秘密保護』でなく情報開示の徹底こそ求められている役所だ。警察官僚をトップとした事務局が提案を行ったのは重大だ」と指摘しました。
塩川氏は、有識者会議の議事録が残されていなかった問題に加えて、会議資料が全て公開されているのかと追及。藤村修官房長官は「資料の中に機微な情報を含むものがある」と答え、非公表資料の存在を認めました。塩川氏は、「当然公表されるはずの報告書案すら開示されておらず、議論の経緯がわからない」と批判。「秘密でないものすら秘密扱いにしていることが検討過程でも明らかだ」と述べ、法案策定をただちにやめるよう求めました。