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2012年3月7日(水)

橋下氏 憲法へのあきれた暴言

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 「憲法9条とは、突き詰めると平和には何も労力がいらない、自ら汗はかかない、そういう趣旨だ」などという橋下徹大阪市長の発言は、憲法9条の基本的な理解を欠いた、同氏が弁護士とは思えない浅はかな発言です。

 9条は、「平和に努力はいらない」などという立場ではなく、侵略戦争の反省を明確にし、アジア諸国との信頼関係回復の積極的努力を前提にしています。憲法の前文でも全世界の人々の平和的生存権を明記したうえで、「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」としています。9条は、世界平和の実現と貧困撲滅のためのさまざまな実践と結んで、「武力なき平和」を目指すものなのです。

 橋下氏は、「9条がなかったときは、他人のために汗をかこう、場合によっては命の危険もあるかもしれないけど、そういう負担もせざるを得ないとやっていた」とものべます。しかし、9条がなかった戦前の日本は、実際は「汗をかく」どころか、軍人勅諭(ちょくゆ)にみられるように「死は鴻毛(こうもう)より軽し」とされ、国家によって強制的に命を投げ出すことが求められたのです。

 橋下氏の議論は、軍事力を海外に派兵し、「血を流す」ことなしには評価されないという、自民党流の9条攻撃=「一国平和主義」を繰り返しているにすぎません。 (中祖寅一)


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