2012年3月5日(月)
「風力発電」商法にご用心
高利うたい用地証券販売
風力発電の具体的開発計画がないにもかかわらず、あるかのように説明し、その「土地の権利」に関する証券を「1口20万円 2年満期 利回り8〜12%」などといって販売している例が見られます。消費者庁は、不適切な勧誘行為が確認されたとして、消費者安全法に基づき、被害の発生、拡大を防止するため、業者名を公表し、「絶対にもうかる甘い話はありません」と、消費者に注意を呼び掛けています。
消費生活センター131件相談
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業務の様子なく
同庁によると、不適切な勧誘をしていたのは、「エコエネルギー開発合同会社」(東京都墨田区文花、露木邦彦代表社員)▽「株式会社国際コンサルティング」(港区新橋、長田伸一代表取締役)▽「株式会社日商コンサルティング」(中央区銀座、森総一郎代表取締役)―の3社。
エコ社は、法人登記によると、資本金1000万円ですが、所在地のマンションに会社の表示はありません。あとの2社は、消費者に送付された会社概要によると、資本金がそれぞれ1億1000万円、1億5000万円となっているものの法人登記が会社所在地にありません。3社とも電話が通じないなど、業務をしている様子が認められないといいます。
エコ社は昨年8月以降、北海道豊浦町に風力発電所を設置するなどとうたい、「土地の権利」に関する証券を1口20万円で販売。ところが、同社は電力会社との協議も発電所設置の法令上の手続きもしておらず、工事もしていませんでした。
他の2社も過去に金銭的な損害を被ったことのある消費者に対し、被害を回復する代わりにエコ社の証券の購入をするよう勧誘していました。しかし、実際に被害の回復がおこなわれたり、エコ社の「権利」を買い取ってもらえたりしたことは1件もありませんでした。
1.5億円を支払う
各地の消費生活センターに相談が寄せられており、先月7日までに131件に上りました。これまでに、少なくとも77人が1億5000万円弱を支払ったことが判明しています。
同庁は3社以外の業者による勧誘にも問題がないわけではないとして、風力発電にかかわる「土地の権利」をめぐる投資勧誘や被害回復、代理購入を装った勧誘について注意を喚起、「事業者の勧誘をうのみにせず、相談して被害をくりかえすことのないように」と訴えています。