2012年3月5日(月)
NHK「日曜討論」 穀田国対委員長の発言
日本共産党の穀田恵二国対委員長が4日、NHK日曜討論で行った発言を紹介します。
討論では、衆院で審議中の2012年度予算案について各党が意見を表明しました。
消費税頼らぬ財政再建提案
穀田 今度の予算が国民にとってどういう内容なのかということが問われており、大きくいって三つの問題点があります。
一つ目は、小泉政権時代に切り捨てられた社会保障です。今度、野田内閣で、それ以上の切り捨てがやられ、社会保障は前年度比で(戦後)初のマイナスです。そういう意味で国民にとって最悪の予算です。
二つ目は、大企業と富裕層に対して減税のばらまきをやる内容になっている点です。
三つ目は、消費税の増税を前提とした予算である。こういう中身が問題なのです。
私どもは、新年度予算案に対して組み替え提案を出そうと思っています。いま大事なことは、消費税の増税に頼らずに財政再建する、そして社会保障の充実を勝ち取るということです。そういった内容を踏まえた組み替え提案を示して、論議を深めていきたいと考えています。
12年度予算案に関連する赤字国債発行について議論が移り、民主党の城島光力国対委員長は、税収が減り国債は毎年発行しないと予算は成り立たないので、与野党問わず各党は賛成すべきだと主張しました。
穀田 なぜこういうふうに税収が減ったのか、見極めないといけません。1997年に消費税増税が行われた以後、累計でみますと、この14年間で84兆円も収入が減っているんです。消費税増税をやっても、結局(税の)収入が増えないことを示しています。
もう一つの問題は、所得税と法人税が減っていることです。法人税減税をおこない、所得税の最高税率を下げた。それをさらに証券優遇税制はじめ減税をやって(税の)収入を減らしている。ここに最大の問題があると思います。歳出でいえば、「コンクリートから人へ」という公約もさっさと取り下げて、公共事業に大盤振る舞いをやる。こういう仕掛けが間違っていることを指摘しないとだめです。
そのうえ、消費税増税の税収をあてこんだ(交付国債発行の)カラクリやっているのはハチャメチャですよ。
「社会保障・税一体改革」について、公明党の漆原良夫国対委員長が、「年金部分が先送りになっている」と政府・与党を批判し、国民新党の下地幹郎幹事長は、「わが党の亀井代表は(消費税)増税について慎重だ」と発言。城島氏は、年金以外については公明党と考えが同じ、などと述べ、各党に賛成をよびかけました。
日本の経済を奈落の底に
穀田 「一体改革」の看板に偽りありです。子ども子育ての手当ては減らす、医療費については窓口負担を増やす、介護保険の利用料は増やす、そして年金については支給額を減らす。まさに社会保障の改悪、「一体改悪」です。
あわせて消費税の増税が何をもたらすかという問題なんです。庶民の暮らしがいま大変な時期に、こんな負担を負わせていいのかと。中小企業4団体が昨年明らかにした調査結果では、消費税が増税されても価格に転嫁できないと7割の方々が答えています。破壊的な影響をもたらし、日本の経済を奈落の底に突き落とすと。97年の消費税増税のときも大変でしたよね。今度は13兆円以上の負担ですから、経済に打撃を加えるという点でもまったくおかしいと思います。
選挙制度について、各党からは、「小選挙区を前提にした今の制度はだめだ」。(みんなの党、山内康一国対委員長)、「1票の格差、定数削減、選挙制度の三位一体で解決しようといっており、各党協議会の様子をみなければいけない」(漆原氏)との意見が出されました。
0増5減先行、間違っている
穀田 いまの(小選挙区)「0増5減」の先行処理というやり方は、現行の小選挙区比例代表(並立)制を維持することを前提にしており間違っていると思います。全党が参加している(衆院選挙制度)各党協議会で、いまの小選挙区制度に問題ありというのが、共通の認識なんです。自民党も含めて、大政党が有利になる仕組みだという話になっています。民意を正確に反映しない制度だということで各党、民主党を除いて一致しているんです。これを直そうじゃないかというのが多くの意見なんです。
あわせて、国民的世論は、「抜本改正をしたほうがいい」というのが6割、7割占めてんです。この機を逃しちゃいけない。(現行制度を)つくられた当事者自身が「この制度は問題あり」といってるわけですから、今を除いて、(制度を変える)機はないと思います。
最後に、これからの国会論戦について各党が決意を語りました。
穀田 私どもは野田政権に対して解散総選挙を求めたいと思います。原発対策でも、再稼働だとか、原発輸出だとか、とんでもないことをいったりやっています。それからTPP(環太平洋連携協定)、沖縄(基地問題)。もう政権を担う資格なしということを貫いていきたいと思います。