2012年3月3日(土)
原子炉監視温度計 使用可能は半分以下
福島第1原発2号機
東京電力は2日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1〜3号機の原子炉の温度を測る温度計のうち監視に使えるのは設置された温度計の7割に満たないことを明らかにしました。特に2号機では半分以下の44%にすぎません。
東電は、2号機原子炉圧力容器底部にある三つの温度計のうち一つの指示値が先月急上昇し、その後故障と判断したことを踏まえた対応を検討した報告書で明らかにしました。報告書は経済産業省原子力安全・保安院に1日、提出しました。
温度計の信頼性は、温度計の抵抗値の変化を判断基準に評価。それにもとづいて「故障」「参考程度に使用」「監視に使用する」と分類しました。
1〜3号機の原子炉圧力容器と格納容器の温度を測る温度計は219台設置されています。事故前の定期点検時に故障が確認されていたものや中央制御室にケーブルが接続されていない温度計が40台。これを除いた179台で抵抗値による見直しをした結果、監視に使えるのは151台で、設置台数の69%でした。
監視に使える温度計は1号機が48台、2号機が34台、3号機が69台で、2号機では「故障」した温度計が12カ所に上りました。
報告書はまた、「現時点で実現可能性があると考えられる手段」として、圧力容器につながる配管に温度センサーを挿入して監視する方法と、間接的に評価する方法について検討。温度センサーを挿入する手段では、圧力容器内の冷却水の流量を調節するジェットポンプに通じる配管が最も実現性が高いとしています。
早くて7月上旬に工事に着手する計画を示しましたが、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「作業する場所が狭いこと、放射線量が高く遮へいできるかなど、すべてが困難」と述べました。
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