2012年2月29日(水)
裁判官報酬下げ案可決
井上氏反対「司法の独立侵す」
|
民主、自民、公明3党が提出した国家公務員賃下げ法案に合わせて裁判官報酬などを引き下げる法案が28日の参院法務委員会で採決され、日本共産党以外の賛成多数で可決されました。
日本共産党の井上哲士議員は討論で、政府が公務員給与削減を消費税増税の地ならしと位置づけていることをあげ、「時の政権の政策実現の手段として、裁判官の報酬を引き下げることは司法の独立を侵すことになる」として反対しました。
憲法は「裁判官の報酬は、在任中これを減額することはできない」と定めています。質疑で井上氏は、これまで最高裁判所が、裁判官の報酬の引き下げについて「人事院勧告完全実施で国家公務員給与全体が引き下げられる場合は、司法の独立を侵すものではなく憲法に違反しない」との立場をとってきたことを指摘。人事院勧告の34倍も引き下げ、自衛隊員の給与削減は先送りされていることを示し、「二つの要件を欠いている」と強調しました。
小川敏夫法相は震災復興のための「例外的な対応として許容される」と強弁。井上氏は「給与削減で復興財源にあてるという政府方針に従わせるものだ」と批判しました。
政府が、社会保障・税一体改革大綱で、消費税増税へ国民の納得を得るために公務員給与削減を実行すると明記していることをあげ、「増税に理解くださいとのキャンペーンのために、裁判官の報酬が引き下げられることは絶対に許されない」と強調しました。