2012年2月27日(月)
沖縄・辺野古アセス業務
8割が“無競争”入札
天下り企業が独占的受注
防衛省OBの天下り企業による独占的な受注が問題となっている沖縄県名護市辺野古の新基地建設にともなう環境影響評価(アセスメント)で、34件の業務のうち8割の27件の入札が「1者応札」などと呼ばれる無競争の入札だったことが26日、本紙の取材で判明しました。総額86億円超の巨額事業の9割にあたる28件を天下り企業が分け合った実態があらためて浮き彫りになりました。
本紙は、日本共産党の笠井亮衆院議員が入手したアセスメント業務34件の入札調書などを調査。その結果、入札に1社しか参加しなかった「1者応札」が17件にのぼり、その17件全てを防衛省OBが再就職した天下り企業5社が受注していました。
また、複数の企業が応札したものであっても、落札企業以外が辞退したり、予定価格を上回る金額を入れるなど、実際は無競争の入札だったケースが10件ありました。このうち9件を天下り企業3社が受注しています。
「1者応札」は、競合相手がいないため、落札価格が高止まりの傾向があります。
会計検査院が2008年に行った調査によると、複数の企業が入札に参加した場合と比べ、「1者応札」では落札率(予定価格に対する落札価格の割合)が7%から10%程度高くなることがわかっています。
入札に詳しい専門家からは「入札本来の目的である競争にならず、発注方式に問題がある場合も多い」と指摘する声もあり、東京都目黒区のように募集をやり直す発注者もいます。
今回のアセスメント業務でも落札率が95%を超えたものが23件。高止まりは明白です。
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