2012年2月21日(火)
高浜3号 定検で停止
福井県原発稼働ゼロ 全国残り2基
関西電力は20日、高浜原発(福井県高浜町)3号機の停止操作を開始しました。定期検査を受けるためで、21日未明に原子炉が停止します。高浜3号機が停止することで、福井県内にある原発は、関電の全11基をはじめ日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」を含め、15基すべてが停止します。
全国には福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の6基と福島第2原発(福島県富岡町、楢葉町)の4基を含め54基の商業用原発がありますが、高浜3号機が停止すると運転中の原発は北海道電力泊原発(北海道泊村)3号機と東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)6号機の2基だけとなります。これら2基も4月下旬までには順次定期検査で停止する予定です。
昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受けて原発に対する国民の不安の高まりと原発ゼロを求める世論が大きくなる中で、定期検査や事故で停止した原発を再稼働させることができない状態が続いています。しかし、国はあくまでも原発を再稼働させようとしています。
昨年7月突然実施が決まったストレステスト(耐性試験)で、関西電力から提出された大飯原発3、4号機の1次評価結果について経済産業省原子力安全・保安院は3カ月足らずで「妥当」の結論を示しました。しかし、日本のストレステストは本家本元の欧州連合(EU)が国民の判断に生かすとしているものとは異なり、あくまでも再稼働を前提とした、似て非なるものです。
このため、多くの地元住民だけでなく、地元自治体の首長からもストレステストの結論だけで再稼働の判断はできないとの声があがっています。国と電力会社の「自作自演」のストレステストを再稼働の「てこ」にしようとしても、国民の納得は得られないことを示しています。
すべて止まり安心
渡辺孝・高浜町議の話 福井の原発がすべて止まって、住民は安心しています。若狭湾には活断層がたくさんあり、運転中は事故が起きるのではと常に不安を感じています。原発を廃炉にすべきという声も多数出ています。高浜には原発にかかわる仕事に就いている人も多いのですが、美しい砂浜があり観光も主要な産業です。もし大事故が起きたら、若狭湾だけでなく広い地域の観光が打撃を受けるでしょう。原発関連の仕事に代わる雇用を確保し、原発に頼らない町づくりが必要です。私は、再生可能エネルギー利用の道へ踏み出すことを議会で提案しています。3月11日に敦賀で、原発ゼロを目指すための集会を開きます。2000人参加を目標に町民との対話を広げ、原発ゼロを求める声を集めたいと思っています。
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