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2012年2月21日(火)

スペイン 全土で大規模デモ

首都50万人 解雇手当下げるな

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 財政危機に陥っているスペインで19日、解雇手当の引き下げなどを盛り込んだ労働市場「改革」を政府が進めようとしていることに抗議して、労働者や市民が全国57都市でデモ行進しました。労働組合によると、首都マドリードには約50万人が集結。昨年12月のラホイ政権発足以来、最大規模の抗議行動になりました。(島田峰隆)


財政危機の転嫁に抗議

 主催は、同国の二つの労組全国組織である労働者委員会(CCOO)と労働総同盟(UGT)。東部バルセロナで45万人、南部セビリアで5万人など、主要都市で万単位の労働者が参加しました。

 政府が10日に決めた「改革」案は、解雇した従業員に企業が支払う一時金の上限を引き下げることや、産業別の団体交渉を経ずに労働者を解雇できる仕組みの導入などが内容。政府は、解雇を容易にして労働市場の流動性を高めることにより、ユーロ圏で最高とされる失業率(約23%)を下げ、財政危機も解決できると主張しています。

 これに対し、抗議行動に参加した労働者らは、「労働者に犠牲を押し付ける不公正で役に立たない『改革』にノー」と訴えながら抗議。CCOOのトホ書記長は、「『改革』は雇用増につながらない。企業が労働者を安上がりに解雇することで、雇用破壊が進む。社会保障の金庫の鍵を企業に渡すようなものだ」と批判しています。

 特に、これまで不当解雇の撤回や賃金引き上げを勝ち取る力になってきた産別団体交渉を弱める動きに対しては、懸念が広がっています。最大野党・社会労働党のルバルカバ党首は、「(産別交渉を弱めることは)力のある企業にとって有利になり、社会の安定を破壊する」と反対しています。

 労組は、「改革」案の修正を求めて、今月29日にも再び抗議行動をすると発表。「改革」案は、すでに発表された緊縮政策と合わせて、「『福祉国家』を破壊するものだ」として、医療や教育予算の削減に反対する団体、経済格差の是正を求めて昨年から活動している若者たちにも協力を呼び掛けています。


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