2012年2月21日(火)
受診遅れの死亡67人
窓口負担など経済的理由
民医連調査
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全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は20日、経済的理由によって医療機関への受診が遅れ、結果として死亡に至ったと考えられる事例が、2011年の1年間で67人にのぼった、と発表しました。調査は今回で6回目。
67人のうち42人(63%)が国民健康保険料(税)を滞納したことによって正規の保険証を取り上げられて無保険や短期保険証、資格証明書となり病状が悪化したと考えられる事例(非正規保険者群)で、25人(37%)が正規の保険証を持ちながら窓口負担金が払えないなどの経済的理由によって受診が遅れたと考えられる事例でした。非正規保険者群のうち25人(60%)が無保険者。無保険者は09年以降ほぼ6割を占めています。
67人の72%が50〜60歳代の男性で、最年少は29歳男性でした。休めない労働環境や重い窓口負担などの経済的理由の影響が考えられました。
死因は悪性新生物(がん)が37人(55%)と最も多く、次いで心臓や肺、肝臓疾患など。早期受診していれば命が助けられたと思われる肺結核も2人(3%)いました。
全日本民医連では、▽国が「無保険者」の実態調査を行い緊急の対応策を講じる▽医療費の窓口負担の無料化▽国庫負担を増やして、だれもが払える国保保険料にする―など6項目の緊急要求をしています。