2012年2月20日(月)
シリア首都 過去最大反政府デモ
被害住民の葬儀契機に1万5000人
【カイロ=小泉大介】シリアの首都ダマスカスで18日、治安部隊による住民弾圧が開始された昨年3月以降、最大規模の反政府デモが行われました。同日、中国政府特使として同国を訪問していた翟雋(たくしゅん)外務次官がアサド大統領らと会談し、暴力の即時停止と政治対話の推進を促しました。
中国特使、政府に対話促す
デモが行われたのはダマスカス中心部に近く、政府機関ビルや大使館なども立ち並ぶ地区。当初、シリア軍の攻撃で死亡した住民の葬儀として始まりましたが、参加者がみるみる増え、現地からの報道によると最終的には1万5000人規模になりました。これまでの反政府デモは小規模なものにとどまっていました。
シリア軍はデモ隊に対して銃撃を加え、1人が死亡、数十人が負傷し、約60人が逮捕されました。軍は同日、全土で攻撃を行い、少なくとも21人が死亡しました。
一方シリア国営テレビによると、アサド大統領と会談した中国の翟次官は、「中国は、政府と反政府勢力の双方に対し、暴力行為を直ちに停止するよう訴える」「一刻も早く平静が回復されることが死活的であり、それがシリア人民の利益となる」と表明しました。
また今月26日に行われる憲法改正の国民投票について、「中国はシリアで進行中の改革を支持する」「国民投票や国会議員選挙が粛々と実施されることを希望する」などと述べました。
中国は4日の国連安全保障理事会で、シリア政府を非難する決議案の採決に、ロシアとともに「拒否権」を行使、同案を廃案にしました。16日の国連総会で採択された同決議案にも反対しました。