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2012年2月19日(日)

定数削減 メディアに変化

多様な民意削る 切るなら政党助成金

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 民主党が消費税増税を口実に「身を切る」としてたくらむ衆院比例定数80削減。これまで、定数削減は当然としてきた大手メディアの中でも、比例定数を削減することには異議が出始めています。

 「毎日」は通常国会開会に合わせて、「『身を切る』のは定数か」と題した古賀攻政治部長の論評(1月24日付)を掲載しました。消費税増税を前提として「身を切る改革」が必要としているものの、衆院比例定数80削減については「首相や民主党は手っ取り早く身を切る姿勢を見せるのに比例代表を選んでいる」と批判しています。そして、日本共産党以外の各党が受け取っている年間約320億円の交付金(政党助成金)と議員歳費をカットする方が「『身を切る』姿勢としてよほど理にかなっている」と論じています。

 「朝日」は社説(同20日付)で「比例80減には異議あり」としました。小選挙区比例代表並立制は「政権交代が起きやすくなるが死票も多い小選挙区制と、多様な民意を反映しやすいが多党化しがちな比例区を掛け合わせ、互いの短所を補いあうものだ」と説明。民主党案は完全小選挙区制に近づくとして「小選挙区は『選挙結果の振幅が大きすぎる』『2大政党の政争を激化させた』などと多くの弊害が指摘されている。なのに小選挙区偏重をすすめる合意など、あり得ない」としています。

 国会議員の定数を取り上げたのは「日経」2月13日付夕刊。読者が編集委員に聞く形で定数削減問題を特集しています。「日本の国会議員って多いの?」との大見出しに「欧州よりは少なく」と報じ、日本が米国に次いで国会議員数が少ないことが分かる「人口100万人当たりの国会議員の数」のグラフもつけています。定数削減を「党利党略で先送りを続けることは許されません」と当然視していますが、「議員の定数を極端に削減すると『少数政党が淘汰(とうた)され、国民の多様な意見を国政に反映しにくくなる』と懸念する声があることには注意を払う必要があります」としています。

 投書欄では、野田佳彦首相が消費税増税という国民負担を求める前に、まず定数削減をして国会議員が身を切り、範を示すとしていることへ警鐘を鳴らすものもあります。

 「東京」では「比例削減は少数の排除」(同3日付)、「議員削減は民意も削る」(同8日付)などと立て続けに、民主党の定数削減を批判する投書が掲載されました。消費税増税に反対や賛同できないことを表明し、「ましてや比例定数削減は少数意見の排除であり、民主主義の後退を加速させる」などとしています。


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