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2012年2月17日(金)

主張

グアム移転費

日本負担分 米国に返還求めよ

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 米議会によるグアム基地建設費凍結で米政府が建設計画の見直しに動いているのに、日本政府が2006年の「日米合意」にもとづき沖縄海兵隊のグアム移転費を米国に払い続けていることに、批判が強まっています。

 グアム基地計画の見直しは、米海兵隊のグアム移転とパッケージにした沖縄の新基地建設計画が県民のたたかいで頓挫しているうえ、財政危機で米政府が軍事費大幅削減に直面しているからです。「日米合意」が破たんした以上、グアム移転費の負担をやめ、米財務省に送金し眠っている全額を返すよう米政府に求めるべきです。

世界に例がない異常

 06年の「日米合意」はグアム基地建設費のうち6割にあたる60・9億ドル(当時のレートで約7100億円)を日本が負担することを決め、日本政府は忠実に負担を実施しています。しかし、米国自身は不履行のままです。米議会は沖縄の新基地建設が進まないのを理由に、政府要求額を削減し、12年度分は全額を凍結しました。来年度予算案で国防総省が要求した最少の2600万ドル(約20億円)さえ承認される保証はありません。日本政府が来年度予算案にグアム基地建設費7億円、基盤整備のための67億円の出資金を計上しているのは筋が通りません。

 外国の軍事基地建設費を負担する国など世界に例がないのは外務省も認めている事実です。基地の痛みをなくしてほしいという沖縄県民の悲痛な願いを逆手にとって、グアム移転費を負担する政府の米国いいなりの態度はそもそも許されないものです。

 グアム基地は米政府が軍事戦略の中核としている拠点です。戦争を放棄した日本が戦争のための米軍の基地づくりに手を貸すのは明白な憲法違反でもあります。日米安保条約にも米軍地位協定にも日本が負担する根拠はありません。

 見過ごせないのは、日本がグアム移転費として米政府に送金した巨額の負担分がこれまで一部しか使われず、大部分が米財務省の「勘定」(口座)に眠ったままになっていることです。日本政府もそれを知りながら黙認しています。政府が予算化し米政府に送金した金額は、09年度3・36億ドル(約345億円)、10年度4・978億ドル(約468億円)、合計約813億円もの巨額にのぼります。

 日本共産党の井上哲士議員が参院予算委員会で「なぜこんなことを繰り返すのか」と追及しても、政府が説明できなかった事実が、米国いいなりにグアム移転費を出し続けてきた政府の異常さを示しています。

復興と暮らしに回せ

 日本政府は、米財務省に眠っている約813億円の全額を返還するよう米政府に求めるとともに、グアム移転費の負担そのものをきっぱりやめるべきです。

 グアム移転費や米軍再編経費、在日米軍への「思いやり予算」をはじめとした軍事費はムダな予算の最たるものです。東日本大震災の復興を最優先にしなければならず財政ひっ迫を口実に消費税大増税をもちだしているときに、米軍のために国民の血税を湯水のように投入するのは認められません。

 米軍のために血税を使うのではなく、軍事費を削り復興財源と国民生活に回せという国民の願いに応えることこそ政府の務めです。


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