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2012年2月16日(木)

最低賃金に 時給1000円超が急務

各地労組が最低生計費調査

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 健康で文化的な人間らしい生活をするために、必要な賃金はいくらか―。全労連加盟の労働組合が中心になって昨年から今年にかけて、九州、愛知、広島で最低生計費調査を実施し、いずれも時給1000円を大幅に超える賃金が必要であるという結果を発表しました。


 25歳の独身男性が1カ月の生活に必要な賃金は、九州地方で21万8551円(時給1258円)、愛知県で22万3230円(時給1285円)、広島県で21万9332円(時給1262円)でした。調査は、九州地方は全労連九州ブロック協議会、愛知県は愛労連などでつくる「愛知県最低生計費試算運動」推進委員会、広島県は広島県労連とパート・臨時・嘱託労組連絡会が、実施したものです。

 最低賃金法にもとづく現行の最低賃金は、全国平均737円。前年より7円上がりましたが、生活を維持するには低すぎることが今回の調査で浮き彫りになりました。全国一律の最低賃金制度の確立と、時給1000円の実現は急務の課題となっています。

 広島県の調査では、消費税の負担分を試算しています。最低生計費のうち消費税が課税される物品購入は11万6501円で、税率5%での1カ月の負担は5825円でした。これが10%に増税された場合、1万1650円となり、月収の5・3%が消費税による支出となります。

 最低生計費調査はこれまでに、首都圏(2008年、23万3801円、時給1345円)、東北地方(09年、22万7855円、時給1311円)、静岡県(10年、23万5757円、時給1356円)で発表され、これにより全国6地方でまとめられたことになります。

 九州地方、愛知県の調査では、30歳代夫婦のみの世帯、30歳代夫婦と子ども1人の世帯、40歳代夫婦と子ども2人の世帯の最低生計費を調査しています。

 九州地方の30歳代夫婦と子ども1人の世帯では、月額38万7869円で、年額465万4428円。愛知県の40歳代夫婦と子ども2人の世帯では、月額52万4837円で、年額629万8044円でした。

 全労連・国民春闘共闘委員会の2012年春闘方針は、誰でも時給100円以上、月額1万円以上の賃金水準の引き上げと、時給1000円、日額7500円、月額16万円の最低賃金を要求として掲げています。


 最低生計費調査 現在の日本社会で生活に必要な最低限の賃金を試算したもの。食費、水光熱費、保険加入などの生活費用や、所有する家財などの調査、実勢価格の調査をふまえて試算しています。

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