2012年2月16日(木)
違憲の「思想調査」やめよ
大阪市労組連 19カ所で
|
橋下徹大阪市長が実施した憲法違反の思想アンケート調査をただちに中止せよと、大阪市労組連(大阪市労働組合総連合、全労連加盟)は15日朝、中之島の市役所前と18の区役所前でいっせいに宣伝しました。
橋下市長の思想調査は、「組合にどんな力があるか」「特定の政治家を応援する活動に参加したか」など22項目。全職員に「業務命令」で強制し、正確な回答がなければ処分の対象になると脅しています。これに対し、市労組連が加盟する大阪自治労連と大阪労連が市に緊急申し入れ。市労連(連合・自治労加盟)は13日、府労働委員会に救済を申し立てるなど、労働者・労働組合がこぞって反発しています。
マイクを握った田所賢治市労組書記長は「職員アンケートは憲法違反で不当労働行為です。ファッショ的な暴挙は許せません。働く仲間が一緒に声をあげましょう」と力を込め、小林勝大教組書記長は「組合弾圧の調査であり、職員の人権を踏みにじるものです」と厳しく指摘。
川本幹子新日本婦人の会府本部会長も「強制・命令、管理・統制では市民のための市政はできません。大阪の自由や民主主義を一緒に守っていきましょう」と訴えました。
ビラは、市役所前では1時間足らずで1100枚、ある区役所前ではほぼ全員が受け取るなど、作成した5000枚すべてを配布しました。
受け取った枚方市の男性は「職員アンケートは、明らかに違法性がある」と憤っていました。
|
府労組連と党市議団 共同で
大阪教職員組合、府職労などでつくる大阪府関連労働組合連合会と日本共産党大阪市議団は15日夕、市役所や日銀支店が軒を並べる淀屋橋で「橋下徹市長は憲法違反の職員思想調査をやめよ」と共同で宣伝し、「教育基本条例」「職員基本条例」の制定を行わないよう求める署名をよびかけました。
凍えるような冷たい風が吹くなか、「思想調査をやめさせましょう」と組合員ら50人が声を掛けて帰宅する人たちに1時間でビラ1000枚を配りました。
北山良三市議団長は「市の職員も国民であり市民です。思想信条の自由は憲法で保障されています。市長が業務命令で調査し、処分までちらつかせて回答を強要するのは明白な違法行為です。ただちに中止させましょう」と訴えました。
大阪教職員組合の小林優書記長は「子どもの成長をゆがめる教育基本条例案反対の声を広げましょう」と決意を表明しました。
ビラを受けとった兵庫県尼崎市の男性(47)は「橋下さんは弁護士なのに憲法違反をするなんて」と不安を語っていました。
大阪市平野区の女性は「独裁すぎる」と厳しく指摘します。堺市の男性(37)は「思想調査はいいとは思いません。橋下さんは、市民そっちのけで、好き勝手している」と語気を強めました。