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2012年2月15日(水)

小沢被告の関連政治団体

妻に「事務所費」支払う

総額5億円超か

政治資金還流の疑い

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 土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件(虚偽記載)で公判中の民主党元代表小沢一郎被告の関連政治団体が、同被告の妻に長年にわたって「事務所賃借料」名目で巨額の支払いをしていることがわかりました。集めた政治資金の一部が、小沢被告側に還流していた疑いが浮上しました。(「政治とカネ」取材班)


 同被告の資金管理団体「陸山会」、関連政治団体の小沢一郎政経研究会、誠山会の政治資金収支報告書(2008〜10年)によると、08年は「事務所費」とあるだけで詳細は不明ですが、09年には、「事務所貸借料」として妻への支払いが、陸山会に月75万円(9〜12月)、小沢一郎政経研究会と誠山会は、それぞれ月69万5000円(1〜8月)の記載があります。陸山会は10年にも月75万円(1〜10月)の記載も。

 これは、東京都世田谷区の小沢被告の自宅周辺にある建物で妻名義のものと、第三者所有の土地・建物を妻が借り、政治団体に又貸ししているものへの賃借料です。

公判でも指摘

 公判では、秘書らの証言と検察官役の冒頭陳述などで、1995年から07年まで建物の賃貸料として、妻側に支払われたことが明らかにされました。

 昨年10月28日の第3回公判。検察官役の指定弁護士が、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員に対し、次のように指摘しました。

 「(小沢被告の妻から)借りている物件に(陸山会など関連)政治団体から賃料を払っている。あわせて月344万円、年間4000万円を超える。負担にならない額なのか」

 さらに元秘書の池田光智被告が証人として出廷した同12月7日の第7回公判。石川氏から陸山会の会計責任者を引き継ぐ際の重要事項をまとめた「池田ノート」の一部が、法廷内のスクリーンで開示されましたが、こんな一節がありました。

 「大きな問題点 全体として奥様から(奥様)経由の名義で借りている土地・建物の解釈が注目される」

 小沢氏の初公判(昨年10月6日)の冒頭陳述では、「陸山会、(小沢一郎)政経研究会、誠山会は、妻から建物を賃借し、2000年以降は毎月合計344万円の賃料を支払っている」と指摘。内訳について、(1)私邸の正面入り口部分に所在する第三者が所有する土地上に建つ建物を賃借し、陸山会に転貸しし、陸山会は92年ごろから賃料を支払っている。2000年以降、その金額は毎月205万円(2)私邸近くの2棟の建物を旧秘書寮として賃貸し、政経研究会、誠山会は、95年以降、それぞれ毎月69万5000円(合計139万円)の賃料を支払っている―としています。

 公判で明らかになった金額を合算すると95年以降、07年までの13年間で妻に支払われた賃料は4億1364万円となります。08〜10年の収支報告書に記載されている分や、陸山会の1992〜99年分を勘案すれば、妻への賃料支払いは5億円を超すとみられます。

“使途に疑問”

 冒頭陳述は、陸山会に保存された会計帳簿で確認できる2000年以降07年までの5政治団体の支出(約27億8100万円)について、不動産関係の支出(不動産購入や妻への賃料の支払いなどで約17億1700万円)が約62%にのぼることを指摘。「政治献金や政治資金パーティー等によって集めた『国民の浄財』である政治資金の使途として、その合理性に疑問のあるものも存している」とのべています。

 小沢事務所は、本紙の取材に「現在公判中の件につき回答はいたしかねます」としています。

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