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2012年2月10日(金)

米はFTA発効中断を

「国民の99%の思いだ」 韓国野党

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 韓国の最大野党・民主統合党(民主党)と左派野党・統合進歩党は8日、米韓FTA(自由貿易協定)の発効手続きの中断、再交渉を求めるオバマ米大統領、米上下両院議長宛ての書簡を、ソウル市内の在韓米大使館に伝達しました。 (中村圭吾)


 書簡には、両党の指導部、所属国会議員96人全員が署名。書簡を届けようとした野党議員らを警官隊が阻止し、一時は大使館前で両者が対峙(たいじ)しました。

 両党の書簡は、米政府に対し、▽外国企業が政府・自治体を相手取り、国際機関に訴訟を起こすことができるようにする「投資家対国家の紛争解決」(ISDS)条項の廃棄▽主要農畜産物に対する関税撤廃の見直し―など10項目を要求。米側が再交渉に応じなければ、4月の国会総選挙の結果を踏まえ、「米韓FTAの廃棄に向けたあらゆる措置を取る」と述べています。

 米韓FTAは、昨年11月までに両国が批准。現在、発効に向けた作業中で今月中にも発効する見通しです。米側が再交渉に応じれば、発効手続きをやり直さなければならなくなるため、要求を受け入れる可能性はきわめて低いといえます。

 しかし、米韓FTAが発効した後でも、どちらか一方の国から通告することで、6カ月後に失効させることが可能。総選挙や12月の大統領選挙では、野党勢力の勝利が有力視されており、両党の書簡は、選挙結果を念頭においた「事前破棄通告」ともいえます。

 民主党の韓明淑(ハン・ミョンスク)代表は8日の記者会見で、「署名は国会議員96人分だが、国民の99%の思いを込めたものだ」と強調しました。

 これに対し、外交通商省の報道官は同日、「米韓関係を損ねる」と批判するコメントを発表。「条約締結手続きが終わっている時点での破棄の主張は、米韓の友好協力関係ならびに、わが国に対する国際社会の信頼を損ないかねない」と批判しました。

 与党ハンナラ党も、民主党の韓代表が盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の首相時代に、米韓FTAを擁護していたことを指摘。「無責任だ」と批判しました。


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