2012年2月8日(水)
暫定統一内閣樹立へ
パレスチナ アッバス議長とハマスが合意
選挙準備、ガザ再建が任務
【カイロ=小泉大介】パレスチナ自治政府のアッバス議長とイスラム武装抵抗組織ハマス指導者のメシャル氏は6日、カタールの首都ドーハで会談し、暫定統一内閣を樹立して、首相をアッバス議長が兼任するとした合意文書に調印しました。同氏率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとハマスとの和解に向けた一歩となります。
合意によると暫定統一内閣の主な任務は、自治政府議長とパレスチナ評議会(国会に相当)の選挙の実施準備や、イスラエルによる経済封鎖がつづくパレスチナ自治区ガザの再建などとなります。
アッバス議長は署名にあたり、「和解はパレスチナ人民の利益にとって極めて重要だ」と表明。メシャル氏も「われわれは真剣に分裂の歴史を終わらせ、パレスチナ人民の統一を強化することを目指している」と強調しました。
両氏は18日にエジプトの首都カイロで再び会談し、選挙日程などを協議することも確認しました。
ハマスは前回2006年1月の評議会選で圧勝しましたが、治安権限などをめぐりファタハとの対立が激化。武力抗争を経て07年6月にハマスがガザ地区を掌握して以来、パレスチナは同地区と自治政府が統治するヨルダン川西岸に、事実上二つの政府がある状態となっています。
ファタハが主流を占めるPLOが1993年にイスラエルを承認し和平交渉を行ってきたのに対し、ハマスはイスラエルの存在を認めず、交渉も否定してきました。
しかしメシャル氏はこの間、“武力によらない大衆的抵抗活動”に言及しており、今回の合意を受けて、ハマスが対イスラエル方針で変化を見せるかどうか注目されます。
合意成立を非難イスラエル首相
【カイロ=小泉大介】イスラエルのネタニヤフ首相は6日、同日のパレスチナ暫定統一内閣樹立合意について、「もしアッバス議長が合意を履行するのであれば、和平の道を投げ捨て、和平の敵である勢力に加担することになる」「ハマスはイスラエルの破壊を欲するテロ組織であり、イランの支援を受けている」などと非難しました。与党リクードの会合で発言しました。