2012年2月8日(水)
被災企業の人件費補助
線引きやめ拡大を
田村議員
日本共産党の田村智子参院議員は7日の参院予算委員会で、1月から被災地で失業給付を打ち切りながら雇用対策があまりに不十分だとして、再雇用への人件費補助制度(事業復興型雇用創出事業)の改善を求めました。
同事業は、中小企業グループ補助金などを受ける企業の雇い入れ1人当たり225万円を補助するもの。被災地の強い要求で再雇用者も対象となりましたが、全体の8割以内と制限されています。
田村氏が「元の職場に戻りたいとの要望が強い。なぜ8割以内なのか」とただしたのに対し、小宮山洋子厚労相は「新しい人にも道を開きたい」などと答えました。
田村氏は、津波で大破した宮城県石巻市の水産加工所が、再建のために従業員一人ひとりに連絡を取り、元の従業員を集めて事業再開の準備をしたことを紹介。「再建の一歩は従業員の再雇用からというのは当たり前のことだ。そこをしっかり支えてこそ、新規募集の条件も広がるはずだ」と指摘しました。
田村氏は、3次補正が成立した昨年11月21日以前に雇い入れた事業所が助成の対象外になっていることについても「予算を遅らせた政治の責任を被災事業所に押し付けるやり方だ」と批判し、さかのぼって適用するよう迫りました。
しかし、小宮山厚労相は被災者の要望を無視し、「難しい」と答弁。首相も「復興庁も発足する。ワンストップで対応したい」と述べるにとどまりました。
田村氏が「現場の要求にストレートに応えるべき。線引きすることなく対応してほしい」と畳み掛けると、野党席から「よし、その通り」の声が上がりました。