2012年2月8日(水)
原発賠償金差し押さえ
参院予算委 田村氏追及 「絶対に許されない」
東京電力から支払われた原発事故の賠償金全額を、年金事務所が社会保険料の滞納処分だといって一方的に差し押さえていた問題で、日本共産党の田村智子議員は7日の参院予算委員会で、「絶対に許されないことだ」と批判。小宮山洋子厚労相は「経緯や事情は確認する。滞納額以上の差し押さえは差額を返還する」と答えました。
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差し押さえられたのは福島県の酪農業の会社経営者のAさん。昨年12月に突然、差し押さえ通知を送り付けられ、賠償金が振り込まれた直後の1月20日に、滞納額を超える賠償金390万3171円全額が白河年金事務所によって差し押さえられました。
田村氏は「不況で保険料を滞納していたが、震災前年も分納していた。原発事故で原乳が出荷停止になっても頑張ってきた」「賠償金は事業をつなぐ頼みの綱だ。全額とりあげるやり方は許されない」と追及しました。
小宮山氏は「予告通知は何度も送っている」などと事実と違うことを述べ、「保険料の徴収の公平性を確保する観点から滞納処分していく」と正当化しました。
田村氏は「年金事務所に賠償金が入ったら支払いたいと言っていたのに、一度も相談にのらず、全額差し押さえた」と批判。「こんな差し押さえはやるべきではないと言うべきだ」と迫ると、小宮山氏は「事実関係をしっかり調べて精査したい」と述べました。
田村氏は、中小業者に支払われた賠償金に国税庁が税金をかける方針であることも批判し、被災者をないがしろにするやり方は中止するよう求めました。