「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年2月7日(火)

シリア安保理決議案否決

米など国連外結集探る

ロ中批判相次ぐ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 民主化要求デモ弾圧が激化するシリアのアサド大統領に対する国連安保理決議案は、昨年10月に引き続き、再びロシアと中国の拒否権行使で廃案となりました。しかしシリア国内の混乱収拾のめどは一向に立たず、同大統領からシャラ副大統領への権限委譲などを求めたアラブ連盟(22カ国・機構)の「行程表」実現のための、国連枠外での国際的結集を呼びかける動きも始まっています。(ロンドン=小玉純一、カイロ=小泉大介)


 クリントン米国務長官は訪問先のブルガリアのソフィアで5日、決議案が拒否権行使で否決されたことを「茶番」と厳しく非難。ロ中に対し、「残虐な政権擁護の全責任を負っている」と糾弾しました。

 クリントン氏はさらに、決議案が否決されたことで内戦の悪化が懸念されると指摘し、「国連以外の場でアサド政権に外交圧力を強化し、アサド大統領を取り巻く人たちに大統領退陣を納得させなければならない」と述べ、暴力停止とアサド政権退陣を促進する「シリアの友人」結成を呼びかけました。

 サルコジ仏大統領も4日、「(アサド政権の)残忍な政策の継続を助長した」と声明を発表し、ロ中の拒否権発動を批判。「シリア人民の友人」グループ結成を呼びかけました。しかし、クリントン、サルコジ両氏とも、呼びかけの具体的な参加国など詳細には言及していません。

 アラブ連盟のアラビ事務局長は5日の声明で、「アラブ連盟の調停案に対する明確な国際的支持があることに変わりはない」とし、継続して外交努力を強める立場を示しました。同連盟は11日に外相級会合を開き、今後の対応を協議する模様です。

 ドイツで3日から開催されていたミュンヘン安全保障会議でも、中東問題が討議されました。トルコのダウトオール外相は、「ロ中は反欧米の角度から拒否権を行使すべきではない」と述べ、チュニジアのジベリ首相は、「ある体制が人々を殺している場合、『主権』でもって正当化することが許されるのか」と問いました。チュニジアはアサド政権との関係を今月から断絶しています。

 シリアの反政府組織「シリア国民評議会」は5日、安保理決議案の否決はアサド政権に「殺人許可証」を送ったのも同然と表明。今後は国連総会がシリア国民の権利を支持する決議案を採択するよう働きかけていくと明らかにしました。

 ロシアは、ラブロフ外相が7日にシリアを訪問しアサド大統領と会談する予定を発表しており、あくまでも独自の外交ルートで事態収拾を図ろうとしています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって