2012年2月6日(月)
福島第1
2号機原子炉圧力容器
一時70度超に上昇
東京電力は5日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の2号機原子炉圧力容器の底部の温度が上昇傾向にあると発表しました。
圧力容器底部の温度は同日午後4時に71・7度になりました。1日午後11時の52度から約20度上昇したことになります。原因は調査中です。
東電は、原子炉へ注水されている「水の流れが変わって、溶融した燃料が十分冷やされていないのではないか」とみています。
底部の温度に上昇傾向がみられたのは2日からです。先月末、原子炉への注水に使う配管の取り換え工事を実施。その際、二つある注水経路のうち、炉心スプレイ系と呼ぶ経路からの注水をいったん止めました。工事を終えて、ふたたび炉心スプレイ系からの注水を行っています。
東電は3日、給水系と呼ばれる経路の注水量を増やして温度上昇に対処してきましたが、4日午後11時にふたたび温度の上昇傾向を示したため、さらに注水量を1時間当たり1トン増やしました。5日午後5時時点、69・4度で、引き続き監視するといいます。
圧力容器底部の温度は容器外側の3カ所で測定。温度上昇がみられるのは1カ所で、他の2カ所の温度は45度前後といいます。底部の温度は、政府と東電が100度以下なら「冷温停止状態」だという目安としてきたものです。保安規定によると、80度になれば自治体などへ通報することになります。