「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年2月3日(金)

子育て新システム

保育“細切れ化”で混乱

待機児解消 市町村の責任後退も

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 野田政権が導入を狙う「子ども・子育て新システム」によって、保育が“細切れ化”して保育現場に大混乱をもたらす恐れがあることや、待機児童解消の市町村の責任が弱まることが、日本共産党の高橋ちづ子衆院議員、田村智子参院議員への政府の説明で2日までに明らかになりました。

 政府の作業部会が1月31日に「新システム」の基本制度案をまとめたのを受け、両議員が政府に説明を求めたものです。政府は、同案をもとに「子ども・子育て支援法案」「総合こども園法案(仮称)」を3月中旬に国会に提出する考えです。

 新制度案では、市町村の保育実施義務を明記した児童福祉法24条が変えられ、保護者と施設とが直接契約を結ぶことになっています。当面、施設が不足している間は、市町村が利用調整し、保護者に利用可能施設を「あっせん」するとされています。

 しかし、施設が足りず「あっせん」されなかった場合、市町村にその子の保育を確保する責任が生じるかについて担当者は答えられず、責任が後退する危険が浮き彫りになりました。

 新制度では、保護者はフルタイムかパートかによって、月単位で「長時間」「短時間」の2区分で保育量の認定を受けます。「長時間」と認定された場合は、現行どおり朝から夕方まで1週間通して保育が受けられるとされています。

 しかし「短時間」の場合、月何時間の保育が受けられるかについて、政府の担当者は「まだ決まっていない」としました。

 また、「短時間」と認定された場合、認められた一定の保育時間を、1カ月、1週間の中でどう配分して使うかは「利用者の自由」だと答えました。

 「長時間」の認定を受けられないパートの人が、「短時間」の枠では足りず枠を超えて利用した場合、超過分は全額自己負担になる可能性もあります。

 「短時間」区分の利用可能時間の設定次第では、日によって登園する子が変わったり、在園時間が変わる“モザイク”状態が生じかねません。園児の安全確保、保育計画に沿った保育、行事の準備などに重大な支障をきたします。

 保育士の確保や収入が大きく変動することによって、施設側にとっても、経営上の不安定をもたらします。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって