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2012年2月1日(水)

きょうの潮流

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 狭い路地を歩いていたら、1週間あまり屋根に積もったままの雪が、目の前に滑り落ちてきました。池は凍りつき、東京で軒下のつららをみるのも久しぶりです▼天地が冷え切った日本列島。北国の雪の便りをきけば、江戸時代の越後の文人、鈴木牧之(ぼくし)が著した『北越雪譜』を開けます。雪国に生きる人の苦労を記す名著ですが、「秋山の古風」の一節に雪の話はほとんど書かれていません▼秋山郷は、いまの新潟県津南町と長野県栄村のあたりです。牧之は、1828年秋に訪ねています。険しい山に囲まれた豪雪地帯は、冬に人を寄せつけなかったのです▼牧之がわずかに紹介する雪の話題は、冬に亡くなると寺にも運ばれない、村人のあわれです。米麦のとれなかった秋山の中心の村は、18世紀の凶作で村人すべて飢え死にし草原と化しました。閉ざされた冬のできごとかもしれません▼いまの観光や農林業の里へと発展させてきた、先人の苦労がしのばれます。栄村は、昨年3月12日の長野県北部地震で、一時9割の村民が避難するほど大きな被害をうけました。秋山郷の地域も、地震で雪崩がおきて孤立しました▼1945年には7・85メートルの積雪を記録した栄村。震災からの復旧・復興にとりくむことしも、すでに積雪が3メートルを超えています。仮設住宅の雪下ろしをしていた人が転落して亡くなる事故がおき、100メートル近い橋が雪の重みで崩壊しました。けれど、野田首相の施政方針は、災害に強い国土づくりの道筋を語らずじまいです。


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