2012年1月31日(火)
福島第1 水漏れ続出
保安院 海への汚染水流出を懸念
東京電力は30日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の高濃度放射能汚染水処理システムで、放射性ストロンチウムを含む水などが新たに4カ所、漏れていたことがわかったと発表しました。東電は凍結が原因としています。凍結によるとみられる水漏れは今月8日から見つかり、これまで二十数カ所に上ります。経済産業省原子力安全・保安院は同日、「一部は海への流出が懸念される事態に至って」いるとして、原因究明と再発防止策をただちに実施するよう東電に指示しました。
新たな水漏れは、原子炉注水用のポンプの配管接続部や同ポンプに水を供給する配管の弁など。東電によると、同日午前9時すぎ、炉注用ポンプの配管接続部分から、7〜8秒に1滴ずつ水が漏れていました。水には放射性セシウムが1立方センチ当たり100分の1ベクレル、放射性ストロンチウムが数十万ベクレル含まれており、東電は配管をビニールで巻きつけたといいます。また、同ポンプに水を供給する弁は亀裂が入り、えんぴつ2本分の太さでろ過水が漏れているといいます。
29日には原子炉注水用のポンプ流量計の破損によって、放射性ストロンチウムを大量に含む水が600リットル漏れ、うち500リットルは側溝に流れたといいます。側溝は放水口につながっており、東電は「海へ流れた可能性を完全に否定できない」としています。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、ろ過水や放射性ストロンチウムなどを含む水が流れる配管などの凍結対策は「あまり進んでいない」と述べました。