2012年1月28日(土)
基地ありきのアセス
沖縄県審査会で住民批判
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沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う環境影響評価(アセスメント)の評価書を審議する県環境影響評価審査会(会長・宮城邦治沖縄国際大学教授)は27日、第2回会合で住民意見を聴取しました。発言した10人は、評価書の非科学性や手続きの非民主性を批判。方法書からのアセス手続きのやり直しを強く求めました。
うるま市の女性は「3歳の孫は米軍ヘリが飛ぶたびに恐怖におびえている。政府は米軍の運用にまかせて何も言えないのですか」と声を震わせながら訴えました。名護市の女性(64)は「辺野古に基地を造るという結論ありきの評価書です。全県民、地球の宝でもある辺野古の海を守ってほしい」と強く要望しました。
元WWF(世界自然保護基金)ジャパン主任の花輪伸一氏は、アセス法違反の事前調査で「ジュゴンをかく乱させた」と批判。「調査結果を恣意(しい)的に解釈し、影響を過小評価している。極めて非科学的で、最低の環境アセスだ」と語気を強めました。
沖縄リーフチェック研究会の安部真理子会長は、「総じてサンゴ類の被度は低い」と結論付けた評価書に異議を唱え、「辺野古のサンゴ礁は潜在的に回復する可能性を持つ地域。潜在性を失う不可逆的改変は避けるべきだ」と訴えました。
金高望弁護士は「県条例57条に基づき知事はアセスのやり直しを求める勧告を行うべきだ」と提言しました。
次回の審査会は31日に行われる予定です。