2012年1月27日(金)
数十万人、革命1周年祝う
エジプト、民政移管へ決意
【カイロ=小泉大介】昨年2月に「民衆革命」でムバラク独裁体制打倒を果たしたエジプトで25日、国民決起の出発点となったデモから1周年を記念する集会が首都カイロや地中海沿岸のアレクサンドリアなど全土で開催されました。数十万人が革命を祝うとともに、民政移管による新たな国づくりの決意を固め合いました。
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青く澄み渡った空のもと、革命の拠点となったカイロ中心部のタハリール(解放)広場は再び、各地からデモ行進しながら参加した青年のグループや親子連れなど、身動きもできないほどの人々の波で埋まりました。
「私はエジプト人に誇りを感じています」と興奮気味に語ったのは、友人たちとデモをしながら参加した会社員の男性、ハイサム・ハッサンさん(32)。「革命前は自分たちの意思を示すことは夢の中のことでした。でもいまはデモ行進をしても、誰もわれわれを止めることはありません」と語りました。
お父さんに肩車されて、エジプト国旗を振る少女たち。そんな光景を見ながら女性の小学校教師、サマ・アフメドさん(28)は、「私たちは新しい民主主義をつくりつつあります。米国がおこなったような、空爆によってつくりだす『民主主義』とはまったく違うものです。子どもたちに自由の意味を実感をもって教えることができる日ももうすぐです」といいました。
人々が夜遅くまで革命を喜ぶ広場には「たたかいはこれからだ」との決意もみなぎりました。それは、集会に姿を見せた著名人の間からも――。
映画監督、ハリド・ユセフさん(47)は「いまも実権をにぎり続ける軍最高評議会は古い体制の一部です。彼らはすみやかに権力を民政に移譲しなければなりません」。女優のシェリハンさん(47)も「わたしたちは革命の要求が最終的に達成されるまで抵抗し続けなければなりません。恐れることはありません。私たちにはタハリールがあるのだから」と語りました。