2012年1月27日(金)
辺野古アセス 防衛天下り業者が請負
基地ありき“お手盛り”
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沖縄県名護市辺野古への新基地建設に向けた環境影響評価(アセスメント)を受託した複数の建設コンサルタント業者に、防衛省、国土交通省のOBが天下っていることが26日までに、本紙の調べでわかりました。
同アセスを受託した業者は、那覇市の「いであ沖縄支社」(西田弘之支社長、本社・東京)と、同県うるま市の「沖縄環境保全研究所」(平良辰二代表)。
「いであ」本社には、2010年に南関東防衛局管理部長などを歴任した防衛省OBが、同年7月に顧問として就職。同社広報担当者は「防衛省関係の仕事で助言してもらっている」と述べます。
「いであ」本社の幹部には、国交省(当時建設省)のOB複数が名を連ね、常務の一人は沖縄総合事務局の平良港工事事務所長を務めていました。
「沖縄環境保全研究所」には、09年6月に沖縄防衛局金武(きん)防衛事務所の所長を務めたOBが「企画アドバイザー」として就職しました。
「いであ」と「沖縄環境保全研究所」は共同で、09年と11年に沖縄防衛局が発注した新基地建設事業やそのアセスにかかわる資料作成業務3件を契約。そのほか09年から11年に、新基地建設にかかわるキャンプ・シュワブの周辺陸域生物・水域生物の調査業務を同2社が分け合うように契約し、これらの合計契約額は約34億円です。
「沖縄環境保全研究所」から同陸域生物調査にかかわる地形・地下水調査を下請けした東京の「パスコ」(杉本陽一社長)にも、09年8月に九州防衛局管理部長だったOBが常勤顧問として就職しています。
同アセス評価書は県民などからの批判が高まっています。防衛省などのOBの天下り業者が評価書に携わっていることからも、客観性や信頼性が疑われる“お手盛りアセス”と言えそうです。
辺野古で座り込みを行うヘリ基地反対協議会の大西照雄代表委員は、「天下り業者が請け負えば、アセスの結論が基地建設ありきになるのは当然だ。こんなアセスは許されないとの声を全国であげるべきだ」と述べました。