2012年1月26日(木)
義援金理由の生活保護打ち切り
30世帯 再申請し受給
福島県南相馬市
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の義援金や賠償金の仮払いを受けたことを理由に生活保護を停止や廃止した問題で、福島県南相馬市は生活保護の再申請をした約30世帯に対して再支給を開始していたことが25日までに分かりました。
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同市は義援金などを収入と認定して約230人の生活保護を打ち切りを昨年5月から始めました。そのうち30歳代から80歳代の生活困窮者から「義援金などが無くなり生活ができない」と、昨年10月ごろから年始にかけて生活保護の再申請が南相馬市に出されました。
市は、義援金などが借金の返済、生活費、医療費など何にどのように使い切ったかの理由を問わず1カ月の生活費が無くなった申請者には再支給したといいます。
福島県生活と健康を守る会の弦弓(つるゆみ)高明事務局長は「私たちの運動の成果だ」と評価したうえで「停止や廃止した時点にさかのぼり支給していない」などの不十分な対応を批判しています。
弦弓事務局長は「昨年末、福島県知事は、生活保護打ち切りを『違法』だったとする『裁決』を下しました。南相馬市は『裁決』に従って不服審査請求をした3世帯に対して謝罪。生活保護を停止、廃止した時点にさかのぼって生活保護費を支給しました。今回の30世帯の生活保護再開始はこれとは違っている」と問題点を指摘します。
そのうえで弦弓事務局長は「南相馬市は3世帯への『裁決』と同様にさかのぼって支給すべきです。200世帯以上の打ち切られた人たちに呼びかけて、弁護団と支援者が一体になって、民主的な生活保護行政実現を要求していきます」と話しています。