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2012年1月25日(水)

「対決軸」はどこに

閉塞打開の展望示す党こそ

施政方針演説

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 「国として進めるべき政策の方向性について与野党に違いはありません」

 24日開会した通常国会。野田佳彦首相は施政方針演説の冒頭からこう言って、「社会保障と税の一体改革」の名による消費税大増税を国民に押し付けるために、自民党の協力を求めました。

 野田首相は「先送りしない」と5度も繰り返し、「政治家が本気で合意をめざし、動かそうとするならば政治は前にすすんでいく」とも強調。数を頼みに国民に押し付ける姿勢をあらわにしました。

 「自民党政治を変える」といって国民の期待を集めて政権交代しながら、「与野党に違いはない」といって公約にも反する増税談合を呼びかけるのは、自らの存在意義を否定する、自民党化の完了宣言にほかなりません。

 政権交代から2年半。民主党政権は国民を裏切り、消費税大増税や環太平洋連携協定(TPP)参加、米軍普天間基地の「県内移設」をすすめるなど自民党以上に自民党的な政権と成り果てました。自民党との間に違いはないことはその通りでしょう。

 大企業が肥え太る一方で国民に貧困と負担増が押し付けられるのはなぜか。戦後60年以上もたってなぜ新たな米軍基地を沖縄に建設しないといけないのか―政権の顔ぶれが変わっても、アメリカと財界いいなりという「二つの異常」に縛られている限り、政治の閉塞(へいそく)を打破する展望は見えてこないからです。

 しかし、日本共産党はまったく違います。

 ―安保条約のくびきから抜け出し、米軍基地をなくし、憲法9条を生かした平和外交によって世界に貢献する国へと踏み出す。

 ―大企業の民主的規制によって巨額の富を社会に還流させ、経済・財政再建と雇用、社会保障、中小企業、農林水産業などの本格的再生に道を開く。

 日本共産党は、「二つの異常」から抜け出し、新しい日本の未来を開く展望を指し示しています。それに対して「二つの異常」にどっぷり漬かって抜け出せない民主・自民の「二大政党」。対決軸がないどころか、ここに真の対決軸があるのは明らかです。

 それは今や、国民と二大政党の対決軸になりつつあります。消費税増税でも、マスコミが「増税やむなし」報道を垂れ流すもとでも、増税反対が過半数を上回り、国民は厳しい目を向けています。

 普天間基地「移設」でもTPPをめぐっても、アメリカいいなりの姿勢を批判し、ノーの声を上げています。

 それだけに財界とアメリカいいなりに暴走すればするほど国民との矛盾は避けられません。形だけ「対決」を演じ、裏では「オール与党」で古い政治を押し付けるならば、これも矛盾は避けられないでしょう。政治の閉塞状況がかつてなく高まるなかで、だれが国民世論とたたかいを体現し、打開の展望を示すことができるのか。解散・総選挙の可能性もはらんだ国会で、各党に鋭く問われることになります。 (深山直人)


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