2012年1月25日(水)
九電主催の忘年会に
玄海町長と11町議参加
やらせメール問題さなか 佐賀
九州電力の玄海原発2・3号機(佐賀県玄海町)の再稼働をめぐる「やらせメール」が大問題となっていた昨年の12月中旬、地元の町長や町議11人が参加した九州電力主催の忘年会が行われていたことが、複数の関係者への取材で判明しました。第三者委員会から、自治体幹部との「不透明な関係」を指摘された九電ですが、今も変わらない無反省ぶりが浮き彫りになりました。
出席者や関係者の証言によると、忘年会は2011年12月22日、玄海町の隣の唐津市内で行われました。会場は、歴史的な武家屋敷の門を持つ老舗旅館。唐津城の天守閣がよく見える場所にあります。
参加者は、九電側が玄海原子力発電所長の村島正康取締役はじめ8人。玄海町からは岸本英雄町長、鬼木茂信副町長が参加。玄海町議全12人のうち、日本共産党の藤浦晧(あきら)町議を除く11人が参加しました。
忘年会では、九電の村島所長が「やらせメール」など一連の不祥事について“反省”の弁をのべ、「けじめをつけ、信頼を回復したい」などとあいさつしたといいます。
こうした玄海町関係者を招いた九電主催の忘年会は恒例行事となっており、費用は九電持ちで行われてきたといいます。
今回の忘年会では、一部の町関係者が「これだけ不祥事があった年に九電のおごりではまずい」と九電側に“異議”を唱え、“割り勘”になったといいます。
旅館のホームページによると、会席料理にはイセエビの生き造りや佐賀牛のステーキなど高級食材のメニューがズラリ。予算は、安くても8000円、高いものでは2万3000円になります。
この忘年会は“割り勘”のはずですが、後日、九電が町議らに集めに来た会費は、3000円ずつ。費用の多くを九電が負担したことになります。
「やらせメール」をめぐって九電は、1月に松尾新吾会長と真部利応社長の3月末での退任を発表しました。しかし九電は地元自治体幹部との「不透明な関係」などを指摘した第三者委員会の報告に反論するなど、無反省な対応に終始しています。
これでもの言えるのか
日本共産党の藤浦晧町議の話 私ははじめから招待の対象外です。九電の狙いは、町議を手なずけようという魂胆でしょう。町議会では、福島第1原発事故の後でさえ、九電を批判する議員はいません。町民に事故への不安が広がる中、「九電とのなれあいや接待を受けている議員や町長に、九電にものが言えるのか」という批判の声があがっています。町政の信頼にかかわる大問題だと思います。