2012年1月21日(土)
消費税増税PR方法確認
反対世論にあわて ごまかし
税・社会保障「一体改革」関係5閣僚会合で20日に確認された「広報の基本方針」は、増税反対の世論が広がるのにあわてて、増税分は「全額社会保障財源化」すると改めて強調したものです。
これまでの、増税分を社会保障の「機能強化」や「機能維持」にあてるという説明では分かりにくいとして、「説明の仕方を変えた」(岡田克也副総理)だけです。
無駄な公共事業や軍事費なども含めて、政府調達費用にかかる消費税増税分を5%のなかからまかなうとしていたのは、世論の批判を受けて見直すとしました。しかし、お金に色はついていません。
そもそも、消費税増税が社会保障のためかのようにいうのは、何重ものごまかしです。
政府は、社会保障の「充実」に1%分、2・7兆円を当てるとしていますが、これには年金削減や支給開始先送り、生活保護制度の改悪など、政府が今後計画している削減が入っていません。これらの削減で2・7兆円は吹き飛びます。
「社会保障の安定化」とする4%分は、年金の国庫負担財源、社会保障の自然増、財政赤字の穴埋めなどにあてるといいます。これは、現在、法人税や所得税など消費税以外の財源をあてているのを消費税に置き換えるにすぎません。
政府の「一体改革」成案(昨年6月)は、将来的に、社会保障の主たる財源を消費税とすることを打ち出し、素案もその考え方にそっています。
そうなれば、これまで消費税以外の財源でまかなわれていた分を全部消費税に置き換えることになります。消費税の際限ない負担増がいやなら、社会保障は縮小しかない、と国民に迫るものです。
しかも、消費税は低所得者ほど重い負担がかかります。最も社会保障を必要とする人から税金を取って、社会保障を充実するというのは成り立たない話です。
(西沢亨子)