2012年1月21日(土)
医療費免除 国は延長を
被災者をこれ以上苦しめないで
昨年の大震災の被災者に対する医療費の窓口免除や介護保険の利用料減免などの特例措置について、2月末の期限を国が責任を持ってさらに延長するよう、中央社会保障推進協議会など9団体は20日、厚生労働省と交渉。東北各県の保険医協会も同日、東北選出の国会議員に要請しました。
9団体が要請
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松島医療生活協同組合(宮城県)の青井克夫専務理事は「患者さんらは昨年11月ころから、減免がどうなるのか不安の声を上げている。負担が重くなれば受診できない。孤独死につながるのではないか。医療提供者として特例措置の継続を求めたい」と訴えました。
厚労省の国民健康保険の担当者は「原発の警戒区域などは現行措置を1年継続。その他の地域については何らかの措置を検討する」と回答。また、被用者保険の担当者は「警戒区域などの窓口負担は免除。保険料は負担してもらう。他の地域は特例措置を打ち切るが、保険者の判断で継続できる」としました。
東北各県の保険医協会代表による国会議員要請では、岩手の箱石勝見会長が「被災者は想像を絶する苦しい経済状態に置かれている」と告発しました。
要請を受けた日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は「免除期間の延長のために全力をあげたい」と話しました。
この問題では、市田忠義書記局長が昨年9月の参院予算委員会で「来年2月以降も延長せよ」と迫り、小宮山洋子厚労相が「被災地の状況などを踏まえて、お困りになることがないようしっかりと判断していきたい」と答弁しました。
■厚労省との交渉で全国生活と健康を守る会連合会が紹介した、被災地の会員がつづった文章から
被災者の思い
岩手県大槌町の仮設住宅に入居する女性(68) 私は大震災で大津波に遭い、体が思わしくなく、うつにかかり何カ月も地元の仮設病院に通っています。医療費の免除措置が3月から打ち切りになるといわれていますが、先行きが真っ暗です。交通費の負担などを考えると頭がおかしくなり、病気が進行します。これ以上苦しめないでほしい。継続をお願いします。
同じ仮設住宅の女性(71) 大津波の後、ひざの痛みが強くなり、血圧も高くなりました。まだ死んでいられません。私たちを助けてほしいです。