2012年1月20日(金)
格納容器内 初の内視鏡調査
水面は確認できず 福島2号機
東京電力は19日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機の格納容器内の温度や、たまった水量を調べるため、工業用内視鏡を使った調査を同日実施したと発表しました。東電が見える可能性があるとしていた水面は確認できませんでした。
昨年3月の事故後、1〜3号機の格納容器内の様子を直接確認したのは初めてです。2号機は、溶けた核燃料が溶融し、圧力容器底部に大半が落下、一部は底部から格納容器に落下し、底部のコンクリートを侵食したとみられています。
東電によると、同日午前9時から10時すぎまで内視鏡の調査を実施しました。水蒸気量が多く、内視鏡の視界は数メートル。見える範囲も水滴や放射線によるノイズで不鮮明だったといいます。
公表された写真には、内視鏡の近くにある配管類や、事故の影響とみられる塗装のはがれた容器内壁が映っていました。容器の底から高さ4メートルの作業用の床まで映っていましたが、その高さに水面は確認できませんでした。
東電は18日に、2号機格納容器内にたまった水の水位を推定。底部から高さ約5メートルとみていました。
一方、内視鏡と一緒に入れた温度を測定する装置で格納容器内の温度を測ったところ、44・7度でした。東電が既設の温度計の温度42・6度より大きな差はないとしています。
内視鏡の作業は東電社員6人と関連企業の28人が、放射線を遮へい材で囲んだ場所で行い、被ばく放射線量は最大で3・07ミリシーベルトでした。