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2012年1月15日(日)

世界経済フォーラムが報告

「若者と高齢者 格差に直面」

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 【ロンドン=小玉純一】世界経済フォーラムは、25日からスイスの保養地ダボスで開催する年次総会(ダボス会議)を前に、報告書「2012グローバル・リスク」を発表し、「深刻な所得格差」と「不安定な政府の財政状態」を世界経済が直面する最大の課題として挙げました。


「支配層への不満」指摘

 報告は今回で7回目。向こう10年間の50の地球的規模の危機を産業界や政府、学者、市民社会の469人の専門家の調査に基づいて分析したものです。

 報告は、世界の直面するさまざまな危機が、ユートピア(理想郷)の対極“ディストピア(暗黒郷)”の種をまいていると指摘。危機が相互に作用する結果、「若者の多くが慢性的で高度の失業状態にある一方、史上最大となった退職者層が、すでに重債務を抱えた政府に依存するような世界」となると警告しています。

 「若者と高齢者がともに、社会的、政治的な安定を脅かすまでに拡大した所得・技能の格差に直面しかねない」と指摘。「実行可能な代案がなければ、保護主義や国家主義、ポピュリズム(大衆迎合主義)にあおられ、世界経済は下降の渦に巻き込まれかねない」と分析しています。

 報告は、中東・北アフリカを席巻した「アラブの春」と米ウォール街から始まった「占拠運動」について、「政治的、経済的支配層に対する市民の間の不満の高まり」「通信技術能力の飛躍で可能となった迅速な大衆動員」を示したと分析。こうした動きに対して、「世界経済と人口統計学的な変容にどう対処するのか、改善が必要だ」と今後の課題を提起しました。

 また報告は、東日本大震災・福島第1原発事故にも言及。指導者の役割、情報化時代における効率的な通信の課題、危機に対応した信頼できるビジネスモデルといった問題に焦点を当てています。


 世界経済フォーラム スイスのジュネーブに本部を置く非営利法人で1971年設立、毎年同国のダボスで年次総会(ダボス会議)を開催しています。同会議には、選ばれた知識人や経営者、政治指導者が招かれます。


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