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2012年1月11日(水)

主張

オリンピック・イヤー

参加100年目の舞台で活躍を

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 オリンピックとパラリンピックの開催年が明けました。両大会とも、近代スポーツの母国、身体障害者競技の発祥地であるイギリスのロンドンで今年の夏に開催されます。

 日本のスポーツ界にとっては、節目となるオリンピックです。1912年の第5回大会(ストックホルム)に初出場してから、ちょうど100年目。歴史をふまえ、新しい地平を切り開くことになります。

きびしい環境はねかえし

 晴れの舞台をめざす出場枠の獲得や国内選考の多くは、これから正念場をむかえます。競泳平泳ぎ100メートル、200メートルの両種目で3連覇の偉業がかかる北島康介選手も、まずは第一関門の、国内選考レースをくぐらなければなりません。

 苦戦を強いられているのが球技系のスポーツです。現時点での出場権獲得は女子サッカーのみにとどまっています。バレーボールの男女、男子サッカーなど出場の可能性が残っていますが、バスケットボール、ハンドボール、ホッケー、水球は長い低調状態から抜け出せていません。

 ここには企業の都合でチームが休部・解散に追い込まれ、選手・コーチがリストラされてきた深刻な事態が影響しています。トップスポーツを支えてきた基盤が崩れ、安定した強化もできない状況では、実力をつけている世界の競技水準に水をあけられるばかりです。

 パラリンピックでの、日本選手の活躍にもきびしいものがあります。欧米諸国が障害者の権利としてスポーツ参加を保障し、競技に専念できる体制を整えてきているのにたいして、わが国の社会的な支援は大きな立ち遅れをみせています。

 いかに選手やチームが安心して競技に打ち込める環境をつくるか、「中・長期の安定した競技力向上のシステムを確立してほしい」と望む関係者の声にどう応えていくか、オリンピック参加100年の節目に問われている根本的な課題となっています。

 さきに制定されたスポーツ基本法は、「スポーツ選手の不断の努力は、人間の可能性の極限を追求する有意義な営みであり」(前文)と位置づけ、第25条で「国は、……スポーツ選手の競技技術の向上及びその効果の十分な発揮を図る上で必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする」と明記しています。

 求められているのは、オリンピックなどでのメダル獲得を「国威発揚」に利用する従来のやり方を根本からあらため、「人間の可能性の追求」である競技力向上を国民的な視野でとらえ、それにふさわしい国の施策と支援に本腰を入れた具体化をはかることです。

力強い精神発揮して

 スポーツ基本法の共同提案者である日本共産党は、選手、コーチ、競技関係者としっかりと連携し、その要望の実現に向けた競技力向上の基盤の確立と環境づくりにいっそうの力を注ぐ決意です。

 多くのアスリートが東日本大震災の救援と復興に募金を寄せ、被災地を訪ねて激励し、ボランティア活動に参加するなど、社会的な連帯を発揮してきています。こうした力強い精神がオリンピックの舞台での活躍につながることを期待しています。


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