2012年1月8日(日)
秘密保全法案 弁護士ら反対よびかけ
通常国会提出狙う
野田政権が通常国会に提出を予定する「秘密保全法案」をめぐり日本新聞協会、日本弁護士連合会、自由法曹団、出版関係者、メディア研究者らが反対を呼びかけています。
「秘密保全法案」は、国の安全(軍事)や外交、公共の安全、秩序の維持に関する広範な情報を「特別秘密」に指定し、情報を漏らした公務員や民間人を厳罰に処するもの。民主党の仙谷由人政調会長代行、大野元裕参院議員や自民党の小池百合子元防衛相らが制定を求めています。
政府による戦争協力や準備、環太平洋連携協定(TPP)の交渉内容や原発に関する情報も「秘密」にされる恐れがあり、国民の知る権利や取材・報道の自由を侵害しかねません。
“話したらびっくり”
反対運動を呼びかけている都内在住のある弁護士は「法案についてメディアで話したら、みんなのけぞってびっくりしていた。恐ろしさが知られていない。大手全国紙の反対キャンペーンも弱い」と語ります。
内閣情報調査室は昨年末、秘密保全法制の整備にかかわる意見を募集し、個人や団体から寄せられた意見をとりまとめました。反対意見が多数にもかかわらず、情報漏えいの罰則を「懲役1年以下」(現行の国家公務員法)から「懲役10年以下」にする方向で調整しています。
秘密保全法案を議論した昨年11月の民主党政策調査会「内閣部門会議」(田村謙治座長)では、「秘密指定に有効期限を設けることが必要だ」などの意見が出ただけで、法案提出を見送る動きはありません。