2012年1月7日(土)
「耐性試験」聴取会委員
「原発業界から寄付 中立性に影響」
複数委員がただす
経済産業省原子力安全・保安院による原発のストレステスト(耐性試験)に関する第6回意見聴取会が6日開かれました。出席した複数の委員が、原発業界から寄付を受けたとされる複数の大学教授が聴取会の委員に名を連ねた人選は“審査の中立性に影響を与える”と指摘。委員本人と保安院に対して見解を求めました。
意見聴取会は、各電力会社が実施したストレステストの結果を保安院が審査するにあたって専門家の意見を聞くために行っているもの。原子力や津波などの専門家11人が委員となっています。
同日の聴取会で、委員で元原子力設計技術者の後藤政志氏は、原子力安全委員会委員として原発の審査にあたっていた人が三菱重工業など原発業界から寄付を受けたとの新聞報道にふれ、今回の意見聴取会の委員にも名を連ねていることを問題視。「福島の事故では本来果たすべきチェック機能が働いていなかった。審査にかかわった人は事故後、反省すべきなのにそれが感じられない。審査の資格がない」と批判しました。井野博満・東京大学名誉教授も「原子力の推進と規制の両方の委員をしないでほしい」と指摘しました。
名前が挙がった委員で、司会進行役の岡本孝司・東京大学教授は「三菱重工業以外の企業からも寄付を受けている。大学のルールに基づいて適正に行っており、個人の利益のために使用していない」と述べ、審査の中立性は保たれていると釈明。委員を選んだ保安院は「ルールに基づいて委員を選定している。原子力は大きな世界ではないので限定される」などと説明しました。