2012年1月6日(金)
金融円滑化法
中小企業資金繰りに効果
返済猶予は239万件
民間信用調査会社の東京商工リサーチが全国411金融機関を対象に実施した調査によると、中小企業金融円滑化法に基づき、金融機関が実施した中小企業への返済猶予は2011年9月末までに239万7340件、金額で65兆1536億円にのぼりました。申し込みに対する実行率は、件数で91・7%、金額で92・9%と、いずれも90%を超えています。
中小企業金融円滑化法は09年12月、08年秋の世界金融危機以後に顕著となった中小企業の経営悪化に伴い施行されました。その結果、中小企業の倒産は、09年下半期の6996件から10年度上半期の6420件へ、8・2%減少しました。商工リサーチは「(金融円滑化法は)中小企業の資金繰り緩和に大きな効果をみせた」と指摘しています。
中小企業金融円滑化法は、中小企業の借り入れや住宅ローンについて、元本返済の猶予や期間の延長など返済条件の変更を受け入れる努力を金融機関に義務付けています。政府は昨年12月、同法を13年3月末まで延長して実施することを決めています。
中小企業に対して返済猶予を実行した件数を金融機関の種類別にみると、最も多かったのは信用金庫で78万532件(14兆4320億円)、次いで地方銀行75万1096件(22兆4908億円)、大手行(8行)31万2812件(16兆424億円)でした。商工リサーチは「地方銀行は地場企業と密着な関係にあり、信用金庫は小・零細企業への積極的な対応を反映した格好となっている」と分析しています。
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