2012年1月5日(木)
イスラエルとパレスチナ
1年5カ月ぶり対話
継続で合意
【カイロ=小泉大介】1年5カ月にわたり停止していたパレスチナ自治政府とイスラエル政府による和平に向けた直接協議が3日、ヨルダンの首都アンマンで再開しました。和平交渉再開の合意には至りませんでしたが、対話の継続で一致しました。
今回の直接協議はパレスチナの交渉責任者、サエブ・アリカット氏と、イスラエルのネタニヤフ首相特使、イツハク・モルコ氏との間で行われたもの。国連、欧州連合(EU)、米国、ロシアによる中東和平推進のための会合の開催に合わせて実現しました。
仲介役であるヨルダンのナセル・ジュデ外相は協議後の会見で、両者は領土問題や治安対策など和平に関する諸課題について話し合ったものの実質的進展はなかったと指摘。一方、雰囲気は建設的だったとし、「われわれは対話の継続で合意した。再びアンマンで行われる」と述べました。
パレスチナとイスラエルの和平協議は、2010年9月、両首脳により約1年8カ月ぶりに再開しましたが、イスラエル側が入植地建設の推進姿勢を変えなかったため、直後に中断していました。
今回の再開にあたりパレスチナ自治政府のアッバス議長は3日、イスラエル政府が入植地建設を停止し、占領地の返還を認めればすぐにでも和平交渉を開始するが、そうでない場合は“厳しい”手段に打って出ることになると表明しました。