2012年1月5日(木)
きょうの潮流
毛編み帽をかぶり、鼻から下を覆面で隠した人は、国籍や男女の区別がつきません。まっすぐなまなざしに、きりりとした顔立ちがうかがえます▼アメリカの雑誌『タイム』が選んだ、2011年の「今年の人」です。彼または彼女は、ある個人ではなく「抗議する人」。説明がつきます。「アラブの春からアテネまで。ウォール街からモスクワまで」▼『タイム』は、世界中で起こった抗議デモを「個人の行動が全体の大きな変革を生み出せることを示した」とたたえました。編集長も語っています。「こうした人々は歴史を変えており、今後も歴史のページを塗りかえていくだろう」▼体制に抗議する人々のたたかいが歴史をつくる。なんだ、マルクスがとっくに解き明かしている考えに近いではないか。そう思う人もいるでしょうが、21世紀のいま、『タイム』誌は彼らに敬意を払わないではいられなかったようです▼昨年、日本でも抗議デモがたえませんでした。「原発ゼロの社会を」「TPP(環太平洋連携協定)はごめん」「沖縄に基地はいらない」「増税はもってのほか」…。いずれも、本年に続きます▼「創立以来の『国民が主人公』の信条に立ち、つねに国民の切実な利益の実現と社会進歩の促進のためにたたかい、日本社会のなかで不屈の先進的な役割をはたすことを、自らの責務として自覚している」。日本共産党の規約です。党が国の変革めざす「抗議する人」として歴史の舞台に現れ90年、働きがいのある2012年です。