2012年1月3日(火)
復興願う舞 披露
岩手陸前高田
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東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市米崎町で2日、獅子舞が地域や仮設住宅を回りました。米崎小・中学校の校庭に建てられた仮設住宅では「じょいやさ」の掛け声と太鼓や笛の音とともに獅子が舞うと、被災者らが笑顔を見せました。
獅子舞を行ったのは、地域の住民でつくる脇ノ沢獅子舞保存会。海の近くにあった個人宅の蔵に保管していた獅子頭などの道具類は津波ですべて流されましたが、その後の捜索で、500メートル山側に埋まっているところが発見されました。
獅子舞は毎年、15日に行われてきました。今年は復興を願い、里帰りなどにあわせ、2日となりました。地域に130軒ほどあった家は多くが津波で流され、回れたのは40軒ほど。その後、二つの獅子舞は仮設住宅で舞を披露しました。
米崎小学校の仮設住宅で獅子舞を見た女性(67)は「やっぱりこれがないと正月が来た気がしない。津波前に戻ったような感じがした」と目を細めました。
同保存会の熊谷國弘会長は「多くの人が亡くなり、獅子舞をやる方も人が集まるのか心配だったが、いっぱい集まった。地域が元気になる兆しが見えた感じがする」と語りました。