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2012年1月3日(火)

きょうの潮流

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 昔々、中国のある画家が、皇帝に命じられて竜の絵を描きました。お寺の壁を飾る絵は、見事なできばえでした▼しかし、4頭の竜どれにも目のひとみ(睛)がありません。人々が訳を聞くと、画家が答えます。「ひとみを入れると飛び去ってしまう」。まさか。信用しない人々にせがまれ、画家は2頭にひとみを入れました▼すると雷鳴がとどろき、なんと、壁から2頭の竜が天へと飛んでいったとか…。絵や文に、もっとも大事なところを点じ、生命力を吹き込む。「点睛(てんせい)」といいます。逆に、肝心な1カ所を抜かしてしまった生気のない絵や文をさす言葉が、「画竜(がりょう)点睛を欠く」です▼竜は、古代中国の人たちが生んだ想像上の動物です。さすが中国には、「竜」の登場する言葉が多い。日ごろの行いや仕事で画竜点睛を欠くと反省も深いけれど、「竜頭蛇尾」は恥ずかしい。初めは竜のような勢いだが、終わりはヘビのしっぽのようにしょぼくれてしまう。そうならないように、しっかりした見通しをもつことが大切、といいます▼「伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)」は、『三国志』にちなむ言葉です。「伏竜」は活躍の時がくるのをひそんで待つ傑物の、「鳳雛」は鳳凰(ほうおう)のひな(雛)のように大物に育つ素質をもつ若者の、たとえです。竜のように並はずれた力の持ち主は珍しくとも、よりよい国をつくる仕事に加わる志を秘め、機会を待つ人は少なくないでしょう▼さて、何事にも「点睛」を期したい。竜の昇る姿を思い描きつつそう望む、たつ年の初めです。


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